「鼻づまりを早く治したいから」と、鼻の穴の入り口や鼻の下に直接ヴェポラップを塗り込んでしまうケースが見受けられますが、これは極めて危険な誤用です。アメリカ小児科学会(AAP)などで発表された研究報告でも、乳幼児の鼻腔付近にカンフルやメントールを含有する軟膏を塗布することで、気道の粘液分泌が過剰に促進され、重篤な気道閉塞や呼吸困難を引き起こした事例が警告されています。
メントールの強力な揮発成分は、鼻粘膜の受容体を刺激して「スースーして通気が良くなった」と脳に錯覚させる効果がありますが、実際には粘膜の局所的な炎症や過剰な粘液分泌を誘発することがあります。鼻腔が狭い小さな子どもの場合、急激に分泌された粘液が気道を塞ぎ、かえって呼吸が苦しくなる逆効果を生む危険性があるのです。
大正製薬の添付文書や公式注意事項においても、「目や目の周囲、粘膜等には塗布しないこと」「鼻腔内には絶対に塗らないこと」と明確に記載されています。顔周りへの塗布は避け、必ず指定された体幹部に使用してください。