もう一つの火種は、ホーローの鮮やかな発色に使われる着色顔料、とりわけ「鉛」や「カドミウム」といった重金属への不安だ。赤や黄色のアンティーク陶磁器から微量の重金属が検出された昔のニュースが、現代のストウブのイメージと無差別に結びつけられている。
実態はどうなのか。ストウブを製造するフランス工場は、世界で最も厳しい環境・安全基準の一つであるEUの「REACH規則」と食品接触材料に関する指令を完全に順守している。日本の厚生労働省が定める食品衛生法の規格基準(鉛・カドミウムの溶出試験)も当然クリアしている。
第三者機関による定期的な抜き取り検査でも、酸性の強いトマトや酢を長時間煮込んだサンプルから有害な金属イオンが溶出限界値を超えて検出された事例は一件も報告されていない。食材と触れる内面は無着色の黒色エマイユであり、有害物質の心配は科学的に否定されている。