結論から言えば、スシローに毎週決まった曜日が休みとなる「固定定休日」は基本的に存在しない。しかし、年に数回、全国のほぼすべての店舗がシャッターを下ろす「店舗一斉休業日」が導入されている。この大胆な施策の舵を切ったのが、運営元の株式会社あきんどスシローおよび親会社である株式会社FOOD & LIFE COMPANIESだ。
かつて外食産業は、24時間365日営業こそが美徳とされてきた。だが、深刻化する人手不足と従業員の労働環境是正はもはや待ったなしの課題だ。FOOD & LIFE COMPANIESを率いる水留浩一氏や、現場のオペレーション改革を推進する株式会社あきんどスシロー社長の新居耕平氏は、店舗スタッフやその家族の生活の質(QOL)を守ることが長期的なブランド価値に直結すると判断した。一般社団法人日本フードサービス協会の調査でも離職率低下と従業員エンゲージメントの向上が叫ばれる中、スシローの一斉休業は回転寿司業界における象徴的な労働改革モデルとして定着している。
休業日は単なるリフレッシュ休暇にとどまらない。普段の短時間メンテナンスでは行き届かない厨房機器のオーバーホール、配管清掃、さらにはPOSレジや注文レーンのシステム改修が一気呵成に行われる。営業再開後の提供スピードや衛生管理の向上という形で、消費者にも確かな還元がなされているのだ。