法的観点から見れば、今回の問題は従来の海賊版対策の死角を鮮やかに突いた格好だ。既存の国際的な著作権法体系は、インターネット上のファイル共有や一般個人による無断転載を想定して組み立てられてきた。店舗という実体のある商用空間でのデジタルストリーミング再配信に対しては、法制度が追いついていないのが実情である。
権利侵害の立証には、各店舗のルーター解析や配信元サーバーの物理的特定が欠かせない。だが、暗号通信と複数国を経由するVPNプロキシの壁が立ちはだかる。法執行機関の手が及ばない国々にサーバーを分散設置する手法により、権利者側が差し止め請求を出した頃には、すでに新しいミラーサーバーへ切り替えられているという「イタチごっこ」が続いていた。