かつてのスポーツ新聞において、三面記事やピンク面は単なるエロティシズムの提供にとどまらない独自のカルチャーを形成していました。
高度経済成長期からバブル期にかけて、スポーツ新聞はサラリーマンの「毎日の息抜き」でした。勝負ごとの結果を知る競馬・プロ野球欄と並び、世相を斜めから切り取った三面記事や、少し際どい大衆文化を紹介するピンク面は、タブロイド紙特有のユーモアと哀愁を漂わせる重要なコンテンツだったのです。
当時のピンク面は、映画館やキャバレー、全国の歓楽街情報を伝える貴重な情報源でもありました。インターネットが存在しなかった時代、大衆の好奇心や本音を受け止める受け皿として、スポーツ新聞のアダルト欄は確固たる地位を築いていたと言えます。
しかし、平成後期から令和へと元号が変わり、情報のデジタル化が進むにつれて「紙で際どい情報を買う」必然性は薄れ、昭和の猥雑さを残した文化はひとつの歴史的役割を終えることになりました。