給与所得への累進課税強化と切っても切れない関係にあるのが、一律20.315%の分離課税が適用されている金融所得課税の見直し論議だ。株主優待や配当金、株式譲渡益に頼る富裕層が、給与所得者よりも実質的な税負担率が低くなる「1億円の壁」問題は、依然として政治的議論の渦中にある。
この歪みを是正するため、金融・財政サービスを通じた総合課税化へのアプローチや、一定以上の金融所得に対する付加税の導入が検討されている。個人投資家としては、NISA(少額投資非課税制度)などの非課税枠を極限まで使い倒しつつ、申告分離課税と総合課税のどちらを選択すべきか、市場動向と自身の所得水準に応じた緻密なポートフォリオの再構築が求められる。