「Lovers」が持つ並々ならぬ生命力の背景には、フロントマンである片岡健太の制作秘話が存在します。sumikaは2015年、片岡の声が出なくなるという突然のアクシデントにより、バンド活動の一時休止を余儀なくされました。一時は音楽活動の断念すら頭をよぎるほどの絶望の中で、メンバーやファン、周囲のスタッフに支えられて奇跡的な復活を果たします。
2016年春に復帰作としてリリースされた本作には、「人は一人では生きていけない」「欠点だらけの自分を愛してくれた人たちへ、ありのままの音楽で恩返しをしたい」という片岡の強烈な生の実感が込められています。後にリリースされた記念碑的1stフルアルバム『Familia』(2017年)にも収録され、バンドの屋台骨を支える象徴的なナンバーへと成長しました。
挫折を味わい、人の温もりに触れた経験があるからこそ、書かれた言葉には嘘がありません。飾らない等身大の人間愛を歌う姿勢が、多くのファンの人生観そのものを肯定するエネルギーを生み出しています。