風船折り紙の醍醐味は、なんといっても最後の「命の吹き込み」にある。折り上がった状態では、どちらの端にも小さな隙間があるように見えるが、空気が通るのは角が四つ集まった底部の小さな穴だけだ。ここを見誤って反対側の隙間に息を送り込み、首を傾げる初心者は少なくない。
息を吹き込む前に、平らな状態の風船の四隅をほんの少し指先で外側へ広げ、紙同士の密着をほぐしておくのがプロのコツだ。唇を空気穴に密着させたら、細く、鋭く、一気に息を送り込む。肺の空気をすべて吐き出すような強すぎる息ではなく、ストローで泡を立てるような適度な圧力が理想的だ。
注意したいのは呼気に含まれる水分だ。何度も失敗して湿気を帯びると、和紙やクラフト紙は柔らかくなり、折り目が崩れて自立しにくくなる。一度膨らんだら、角を軽く指で整えて立方体の稜線を際立たせる。ピンと張った紙肌の美しさは、プラスチック製品にはない凛とした佇まいを漂わせる。