画面を長時間見つめているとき、眼球の内部では想像を絶する負荷がかかり続けています。私たちの目は、カメラのレンズに相当する「水晶体」の厚みを変えることでピントを合わせています。この水晶体を引っ張ったり緩めたりしてピントを調節しているのが毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる微小な筋肉です。
スマホを約30センチという至近距離で凝視し続けると、毛様体筋はずっと収縮しっぱなしの「極度の緊張状態」を強いられます。腕に重い荷物をずっと力を入れて持ち続けているのと同じ状態で、やがて筋肉は完全にコリ固まり、血流不全(酸欠状態)に陥ります。これが、スマホ眼精疲労の主な原因であり、「目の奥がズーンと痛い」「眼球の裏側が熱い」と感じる決定的な理由です。
さらに深刻なのは神経系への波及です。毛様体筋の働きは自律神経(副交感神経と交感神経)によって精密にコントロールされています。近くを見続けることで副交感神経が働き続けようとする一方、スマホから発信される刺激的な情報やブルーライトは脳を覚醒させ、交感神経を強く刺激します。この自律神経の綱引き状態が続くことで自律神経失調状態となり、単なる一晩寝れば治る疲れ目を超え、休養を取っても回復しない本格的な眼精疲労へと固定化してしまうのです。