Yahoo!知恵袋やX(旧Twitter)などのコミュニティでは、「容量を空けようとして写真を消したら、iCloudからも全部消えてしまった」「子どもの成長記録が全滅した」という悲痛な叫びが連日投稿されている。なぜこのような事故が後を絶たないのか。
取材と実態調査で見えてきた最大の原因は、「バックアップ(複製保管)」と「同期(鏡写し)」の混同にある。
iCloud写真やGoogleフォトの標準動作は、端末とクラウドを常に同じ状態に保つ「同期」だ。つまり、クラウドにアップロードされたからといって、端末の写真アプリから「削除」を実行すると、その削除命令がクラウド側にもリアルタイムで伝達され、双方からデータが消去される。30日以内であれば「最近削除した項目」から復元できるが、完全に消去した後に気づいた場合は二度と戻らない。
また、キャリアショップや量販店の店頭サポート窓口を取材すると、「月額課金を解約した途端、超過分のデータが一定期間後にサーバーから抹消された」「パスワードを失念して2段階認証を突破できず、アカウントにアクセスできなくなった」といった人的要因のデータ消失トラブルが急増している。クラウドは決して「何もしなくても永久に守ってくれる魔法の金庫」ではない。