一口にドイツ語圏と言っても、人々が日常で話すのは標準ドイツ語(高地ドイツ語)ではなく、強烈な方言である「スイスドイツ語(Schwiizerdütsch)」だ。書き言葉には標準ドイツ語を使うが、テレビの日常会話や街中の雑談では書き言葉と大きく異なるスイスドイツ語が飛び交う。他方、フランス語圏(ロマンド地方)で話されるフランス語は本国フランスのものとほぼ同じであり、数字の数え方に一部ローカルな表現(70をsoixante-dixではなくseptanteと言うなど)が残る程度で親しみやすい。
南部のティチーノ州を中心とするイタリア語圏は、太陽の光と陽気な地中海風情が漂うエリアだ。そして最も希少なロマンシュ語は、絶滅の危機に直面しつつも、地元の学校教育や行政の支援によって手厚く保護されている。