世界に目を向けると、自己決定による死を容認する法制度は広がりを見せています。尊厳死や安楽死が法制化されている主な国・地域には以下が挙げられます。
- スイス:利己的動機のない自死幇助を容認(外国人の受け入れを実施)。
- オランダ・ベルギー・ルクセンブルク:厳格な要件のもと、医師による積極的安楽死および自死幇助を法制化。
- カナダ:医療援助死(MAID)として法制化され、適用範囲の議論が継続。
- スペイン・ポルトガル・ニュージーランド・オーストラリアの一部州:近年、法制化が成立・施行。
- アメリカの一部州(オレゴン州、カリフォルニア州など):尊厳死法に基づき医師による自死幇助を容認。
これらの国の多くは自国民または居住者に限定して制度を適用しており、外国人を広く受け入れているスイスの存在は国際的にも特異です。一方、日本国内では「命の選別につながる」「社会的弱者への無言の圧力になりかねない」といった倫理的・宗教的懸念から、法制化に関する議論は停滞した状態が続いています。リビングウィル(生前意思表明書)の普及や緩和ケアの拡充が進むものの、根本的な解決策を見出せないまま、海を渡る個人の決断に委ねられているのが実情です。