公式中継の裏で、個人のインフルエンサーやニュース系YouTuberの同時視聴配信が爆発的なアクセスを集めていた。何百万人もの視聴者が、退屈な儀式の進行を早送りし、ハプニングや衣装のディテールだけをまとめた15秒のショート動画に熱狂した。
テレビ局のスタジオで専門家が語る堅苦しい解説よりも、チャット欄でリアルタイムに交わされる毒舌交じりの雑談の方が、現代の視聴者にとってはるかに魅力的だったのだ。放送局が巨額の放映権料と制作費を投じた番組は、ネット上のミーム(ネタ)を供給するための無料の素材置き場と化してしまった。