作中でファンに強烈なトラウマと爆笑を刻み込んだエピソードといえば、チョロ松の自意識が肥大化して巨大な球体と化した「自意識ライジング」だろう。公式のキャラ設定資料の行間を読み解くと、この「ライジング」には、彼が他の兄弟に対して抱く優越感と、それ以上に深い劣等感が表裏一体となって隠されていることが見えてくる。
自分だけは「まとも」であり、兄弟たちのクズっぷりを矯正する立場にいると信じ込みたい心理。しかし現実は無職のニートであり、何一つ成し遂げていないという冷酷な事実。この激しい自己矛盾が生み出すエネルギーこそが、彼の自意識を異常なまでに肥大化させる。表面上の小利口さに隠されたこのドロドロとした歪みこそ、公式設定の奥深くに潜むチョロ松の真の深層心理なのだ。