なぜ石井竜也は、これほどまでに洗練された美意識と演出力を持ち合わせていたのでしょうか。そのルーツは、彼の学歴と経歴にあります。
茨城県北茨城市の老舗和菓子店に生まれた石井は、幼少期から絵画や造形に非凡な才能を示していました。高校卒業後は上京し、多くの文豪や芸術家を輩出した名門・文化学院美術科(油絵専攻)へ進学。本格的に絵画や空間表現を学び、アーティストとしての基礎を徹底的に叩き込まれました。
実は米米CLUB自体も、文化学院のサークル仲間を中心に結成されたバンドです。音楽を単なる「音」としてではなく、衣装、舞台美術、照明、照明効果、脚本まで含めた「総合芸術」として捉えていた石井は、ステージ上の大道具やメンバーの奇抜なコスチュームのデザインも自ら担当しました。彼にとってステージは巨大なキャンバスであり、自身の美貌やファッションも表現のための重要なピースだったのです。