大ヒットドラマで主役を務めながら、キャリアの絶頂期やその直後に忽然と露出を減らした女優たちを巡っては、ネット上で様々な憶測が飛び交い続けてきました。しかし、関係者の証言や当時の報道記録を検証すると、そこには極めて人間的かつ必然的な選択が存在していました。
『電車男』(2005年)の「エルメス」役で社会現象となった伊東美咲は、モデル出身の端正な美貌とCMでの圧倒的な起用実績を誇りながら、2009年の結婚を機に活動をセーブしました。ハワイへ生活拠点を移した彼女の選択は、当時「事実上の引退」と囁かれましたが、実際には子育てと生活環境を最優先にした自律的なライフシフトでした。2026年現在もSNSや厳選されたメディアを通じて優雅な私生活を発信しており、無理な露出を避けた理想的なセカンドキャリアの体現者と目されています。
一方、2010年代半ばにファンへ大きな衝撃を与えたのが、朝ドラ『梅ちゃん先生』(2012年)や数々の名作ドラマで主演を務めた堀北真希の完全引退です。2015年の結婚後、2017年に発表された直筆メッセージにおいて彼女は「愛する家族と幸せな日々を守るため」と明記し、芸能界への未練を一切残さずに引退を決断しました。復帰説が幾度となく浮上するものの、現在に至るまでメディアへの露出は完全に断たれており、自らのプライバシーと家族の時間を死守する強い意志が窺えます。
また、『1リットルの涙』(2005年)などで天才的な演技力を絶賛されながら、舞台挨拶での発言や私生活のトラブルで長期の活動休止を余儀なくされた沢尻エリカのように、強烈な個性ゆえに波乱の道を歩んだケースもあります。近年では舞台を中心とした本格復帰を果たし、成熟した表現力で再び観客を魅了するなど、挫折を経て新たな表現の場を切り拓く動きも定着しています。