インターネット上の簡易まとめ記事には、しばしば科学的根拠に欠ける情報が見受けられます。採取後の品質を損なう2大誤解を解き明かします。
誤解1:「種を取ったらすぐに天日でカンカンに干すべき」
夏の強い日差しに直接当てる「天日干し」は、一見早く乾燥するように思えますが、種子にとっては熱ストレスによる胚の損傷リスクを孕んでいます。特にコンクリートの上や鉄板トレイの上で直射日光に晒すと、表面温度が50℃近くまで跳ね上がり、休眠を通り越して種が死滅してしまいます。プロの種苗メーカーが実践する乾燥の基本は、「直射日光の当たらない、風通しの良い日陰(または除湿機の効いた室内)」での陰干しです。
誤解2:「取れた種を水道水で綺麗に水洗いしてから干す」
表面についたゴミやカビ菌を洗い流そうと水洗いする人がいますが、採取直後の水洗いは厳禁です。殻が吸水することで種が休眠から目覚めかけ、発芽スイッチが誤作動する原因になります。ゴミの選別は水を使わず、うちわで風を送って比重の軽い殻くずを吹き飛ばす「風選(ふうせん)」を行うのが正しい手法です。