この心理的ハードルを打ち砕く決定打となったのが、国境を軽々と越えるエンターテインメント産業の力だ。映画館の動員記録を塗り替えた『THE FIRST SLAM DUNK』の熱狂に続き、『すずめの戸締まり』が韓国国内で巻き起こした社会現象は記憶に新しい。震災の傷跡や喪失からの再生という普遍的なテーマに、多くの韓国の観客が涙を流し、共感の輪を広げた。
今やNetflixをはじめとする動画配信プラットフォームを通じて、日本のドラマやアニメはタイムラグなしに消費されている。かつてのように「日本産」であることを特別視するのではなく、優れた物語としてフラットに受け止められている事実。このコンテンツの浸透が、隣国に対する情緒的な親近感を強固なものにしている。