都市のスケールを客観的指標で見ると、ソウル特別市の面積は約605.2㎢であり、これは東京都区部(約627㎢)とほぼ同規模の広さです。韓国の国土全体に占める割合はわずか0.6%程度に過ぎません。しかし、この極めて限られた空間に約938万人の人口が集中しており、仁川市や京畿道を含むソウル首都圏全体では人口2,600万人超と、韓国全人口の半数以上を抱え込む巨大メガロポリスを形成しています。
ソウルの地理的・社会的構造を理解する上で外せないのが、東西を貫流する大河「漢江(ハンガン)」の存在です。ソウル特別市は漢江を境界線として、北側の江北(カンブク)エリアと南側の江南(カンナム)エリアに大きく二分されます。
江北は朝鮮王朝時代からの歴史と伝統が息づく王道エリアであり、歴史的建造物や官公庁、下町情緒の残る市場が広がります。一方の江南は、1970年代以降の急激な国家開発によって誕生した新興都心であり、整然とした碁盤の目状の道路、林立する超高層タワーマンション、外資系IT企業が密集するビジネス街が形成されています。単なる地理的区分にとどまらず、住民のライフスタイル、教育熱、資産格差に至るまで、漢江を挟む南北の対比は現代ソウルを象徴する縮図となっています。