本作のメガホンをとるのは、現代映画界のトップランナーであるパオロ・ソレンティーノ (Paolo Sorrentino)だ。自伝的傑作として高い評価を受けた『神の御手 -The Hand of God- (The Hand of God)』を経て、彼が再び故郷ナポリの地にカメラを向けた意味はきわめて大きい。
ソレンティーノはこれまでの映像美学をさらに一歩進め、かつて1940〜50年代に一世を風靡したイタリアン・リアリズム (Italian Neorealism)の泥臭い精神を、現代的な視点で大胆に再構築している。滑らかなカメラワークと絢爛たる音楽、そして街角のざわめきが見事に融合し、観客をスクリーンの中へと容赦なく引きずり込む。