身近な人が熱中症の疑いで倒れた、あるいは自分自身に激しい不調が生じた場合、1分1秒の初動遅れが後遺症や生命の危機に直結します。日本救急医学会推奨の「FIRE原則」に基づき、現場で直ちに行うべき応急処置の手順と医療機関への連絡基準を確認しましょう。
現場で行う応急処置の基本手順
- 環境の移動(Fluid / Environment):風通しの良い涼しい日陰や、クーラーが効いた室内に直ちに移動させる。
- 脱衣と冷却(Cooling):衣服を緩めて体表からの放熱を促す。冷水や濡れタオルを首筋、脇の下、太ももの付け根(大腿動脈)に当て、うちわや扇風機で風を送り、気化熱で一気に体温を下げる。
- 水分・電解質の補給(Fluid):本人が自力でペットボトルを持てる状態であれば、経口補水液またはスポーツドリンクを少しずつ飲ませる。
救急車(119番)を直ちに呼ぶべき絶対的基準
以下の症状が1つでも見られる場合は、様子を見ずに迷わず直ちに119番通報してください。
- 意識がない、または呼びかけに対する反応がおかしい(自分の名前や現在地が言えない)。
- 自力で水分が摂取できない(無理に飲ませると気管に入り窒息や誤嚥性肺炎の危険があるため絶対禁止)。
- 痙攣(ひきつけ)を起こしている、手足が硬直している。
- 涼しい場所で冷却処置を15〜20分継続しても、症状が一向に改善しない。
自力で水分が摂取でき、意識が清明であっても、激しい頭痛や嘔吐が続いて水分を保持できない場合は、自家用車やタクシーを利用して速やかに内科または救急指定病院を受診してください。