松が他の広葉樹や一般的な針葉樹と決定的に異なるのは、季節ごとに果たすべき手入れの目的がまったく別物である点です。年1回のまとめ切りでは美しい樹形を維持できず、樹幹の内側に日が当たらなくなって徐々に下枝から枯れ上がってしまいます。
1回目の手入れは、春に勢いよく伸び出した新芽の成長をコントロールする「みどり摘み(芽摘み)」です。新梢が柔らかいうちに長さを整え、枝分かれのバランスを作ります。そして2回目が、寒さに向かう季節に古い葉をむしり取って日照と風通しを確保する「もみあげ(葉むしり・古葉落とし)」と余分な枝を間引く「透かし剪定」です。
この2つの作業を連動させて初めて、松特有の風格ある段状の美しい枝ぶりが完成します。どちらか一方を怠るだけでも、翌春の芽吹きに乱れが生じるため注意が必要です。