突然の夫の死後、美由紀の前に立ちはだかったのは、幼い子供たちを抱えて生きていくという過酷な現実だった。長男の松田龍平、次男の松田翔太、そして長女。幼少期に父親というあまりにも大きな存在を失った子供たちに対し、彼女は惜しみない愛と時に厳しい教育を注ぎ込んだ。
やがて成長した松田龍平は16歳で映画『御法度』の主演として衝撃的なデビューを飾り、唯一無二の存在感を確立。次男の松田翔太もまた、洗練されたスタイルと鋭い演技力で瞬く間にトップ俳優へと駆け上がった。父の才能を受け継ぎつつも、独自の表現世界を切り拓いた息子たちの背景には、母として、そして表現者の先輩として温かくも見守り続けた美由紀の強い執念が存在した。