ネット掲示板や知恵袋などで定期的に浮上する松山城山総合公園の噂の真相を追跡すると、観光客や移住者が陥りやすい典型的な認識のズレが浮かび上がってきます。松山市街には「城」を冠する、あるいは「城」を視覚的シンボルとする巨大公園が近接して2つ存在します。これが混ざり合い、架空の複合名詞が自然発生したというのが事実にほかなりません。
一つは、国の史跡である松山城の麓に広がる松山城山公園 堀之内地区です。ここは江戸期からの城郭遺構に囲まれた平坦地で、愛媛県美術館や松山市立中央図書館を抱える文化・イベントの核です。一方で、市民が休日に子どもを走らせ、山頂の「ヨーロッパ風の城」を目指すのが大峰ヶ山一帯を開発した松山総合公園です。
来訪者が最も混乱する原因は、松山総合公園の山頂にそびえ立つ中世ヨーロッパ風の展望台の存在です。「松山にある城の公園」という断片的な記憶でカーナビや地図アプリを検索した旅行者が、松山城(本丸)と洋風の展望塔をごちゃ混ぜにしてインプットしてしまった結果が、このキーワードの定着につながっています。