事案発生時、メディアの報道姿勢にも大きな波紋が広がった。Yahoo!ニュースのコメント欄や各種SNSでは、家族への心無い中傷や根拠のない憶測が飛び交い、二次被害が深刻化した。事件事故報道におけるプライバシー保護と迅速な情報拡散のバランスは、今なおメディア界全体に重い課題を残している。
NHKなどの公共放送をはじめとする各報道機関は、児童の特徴や当時の服装を詳細に伝える一方で、要配慮個人情報である発達障害の特性をどこまで開示すべきかという倫理的ジレンマに直面した。特性を明かさなければ捜索の的が絞れず、明かせば好奇の目に晒される。
実名や顔写真の公開範囲、そして発見後の報道のあり方について、メディアと捜査当局、そして児童福祉関係者の間でのガイドライン策定は今も議論が続いている。情報のスピードが命を左右する一方で、家族の尊厳を守る防波堤をいかに築くか。松戸の現場が投げかけた問いは重い。