問題の事件が発生したのは、ニッポン放送が誇る看板番組『オールナイトニッポン』の生放送中だった。1984年4月、特別番組のゲストとして呼ばれた彼女は、深夜特有の自由で奔放な空気に呑み込まれていく。
生放送のブース内には強烈な緊張感と同時に、どこか無礼講を許容する独特の熱気が満ちていた。マイクの前で発せられたその一言は、放送ラインを通じて全国にダイレクトに流出。直後にスタッフが回線を切断したものの、時すでに遅く、抗議電話のベルが鳴り止まない事態となった。深夜ラジオという密室性が生んだ、放送界に残る最大の誤算であった。