嵐ファンが松本潤と二宮和也の2人を指すときに用いる「末ズ(すえず)」という呼称には、特別な情緒が込められています。大野智、櫻井翔、相葉雅紀という兄貴分たちに温かく見守られながら育った1983年生まれの2人は、嵐のなかで独特の共犯関係を築いてきました。
その関係性の変遷は、2人の「呼び方の変化」にも色濃く表れています。ジュニア時代やデビュー初期、二宮は松本を「潤くん」や親しみを込めたあだ名で呼び、松本は「ニノ」と呼んでいました。その後、松本がドラマ『花より男子』などを経てグループのクールな看板として認知されるにつれ、二宮はバラエティやコンサートMCで愛情を込めて「J(ジェイ)」といじり始めます。この「J」という呼び名は、ストイックさゆえに近寄りがたく見えがちだった松本のパブリックイメージを中和させ、親しみやすい愛されキャラへと昇華させる二宮ならではの天才的なアシストでした。
2人の共演歴において語り草となっているのが、2003年の名作ドラマ『Stand UP!!』(TBS系)です。多感な高校生たちの青春を描いた同作でメインキャストとして共演した2人は、撮影の合間にも演技論を交わし、現場でのプロフェッショナルな姿勢を共有しました。後年のバラエティ番組『嵐にしやがれ』や雑誌対談において、二宮は「潤くんの現場へのこだわりや熱量は、昔から一切ブレない」と評し、松本も「ニノの現場での瞬発力と頭の回転の速さは、誰にも真似できない」と語っています。
コンサートのステージ裏でも、末ズの絆を象徴するエピソードは枚挙にいとまがありません。松本が巨大ドームの演出プランに頭を悩ませ、深夜までスタッフと激論を交わしているとき、ふらりと楽屋に残って松本の好む差し入れを置いていくのは二宮でした。「全体を背負い込む松本」の孤独を察知し、あえて重い言葉をかけず、ゲームをしながら冗談を飛ばして緊張を解す――それこそが、二宮和也という男の松本潤に対する流儀だったのです。