シーズンオフを迎えるたびにスポーツ紙を賑わせるのが、松田宣浩 コーチ就任の噂です。ファンやメディアの間では「なぜこれほど求心力のある人物が指導者として現場復帰しないのか」という疑問が度々取り沙汰されてきました。
特に古巣であるソフトバンクホークス復帰説は根強く、王貞治球団会長をはじめとする首脳陣との強固な信頼関係から「将来の幹部候補」としての待望論は常に存在します。また、現役最後の球団となった読売ジャイアンツにおいても、阿部慎之助監督体制下での打撃コーチやメンタル巡回コーチとしての入閣が囁かれた局面がありました。
しかし、球界関係者の取材を統合すると、現在現場に入っていない背景には明確な理由が存在します。第一に、本人が「ユニフォームを脱いだ直後は、客観的な視点から12球団の野球を学び直したい」という強い探求心を持っている点です。現役時代はパ・リーグ中心の生活が長く、セ・リーグの野球や他球団の育成システム、さらにはアマチュア球界の現状を外から俯瞰して学ぶ時間を重視しています。
第二に、解説者やメディア活動を通じて「野球の楽しさを社会全体に伝える」という現在の役割に大きなやりがいを感じていることです。決して現場復帰の道を閉ざしているわけではなく、指導者として招聘された際に選手一人ひとりと向き合える引き出しを増やすための「知見蓄積のフェーズ」にいると見るのが関係者の一致した見解です。機が熟せば、熱いユニフォーム姿を再びファンに見せてくれる日は決して遠くないはずです。