日本の洋食界を牽引し続ける重鎮、大宮勝雄シェフの存在を抜きにしてこの現象は語れない。東京・浅草の名店『レストラン大宮』のオーナーシェフとして長年厨房に立ち続ける彼は、このブームの背景にある本質を見抜いている。
「洋食というのは、西洋の食文化を日本の風土や日本人の嗜好に合わせて独自に育んできた和洋折衷の知恵なんです」と大宮シェフは熱く語る。彼が手がけるワンプレートは、単なる子供騙しではない。選び抜かれた食材と研ぎ澄まされた火入れの技術が凝縮されている。「大人がお金を払って食べるからには、一切の妥妥は許されない。ひと皿のうえでストーリーを完結させることが、私たちの使命です」という言葉には、職人としての誇りが満ちている。