アーティストAdoとのタッグによって生まれた『阿修羅ちゃん』MVは、ビジュアル表現の到達点として国内外に強烈な衝撃を与えた。怒りと疾走感が疾風怒濤のごとく押し寄せるサウンドに対し、描かれたキャラクターデザインは単なる補完にとどまらない主役級の存在感を誇る。
制作の裏側で追求されたのは、完璧な美しさではなく「感情の破綻」と「愛らしさ」の絶妙な同居だ。鋭利な目つき、グラフィカルに処理された表情の変化、そしてどこか狂気を孕んだポップアート的な色使い。主人公のダイナミックなアクションと目まぐるしく変わるカット割りが、楽曲の持つエネルギーを極限まで引き出した。一見するとアバンギャルドでありながら、一度見たら忘れられないアイコニックなシルエットを作り上げた点に、類稀なる造形美学が凝縮されている。