インタビューの中で最も議論を呼んだのが、警察当局による徹底排除方針に対する反論です。司忍組長は、暴力団排除条例の厳罰化によって組員が社会的に孤立し、生活手段を奪われた結果として何が起きるかについて強い危機感を示していました。
「組員を追い詰め、一般市民としての権利すら奪えば、彼らは地下に潜ってマフィア化するしかない」という主張は、後の半グレ集団や匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の台頭を予見していたのではないかと指摘される根拠になっています。山口組の綱領にある「社会の公徳を守る」という建前を強調しつつ、覚醒剤の密売や強盗・窃盗などの粗暴犯罪を禁じている点に言及し、自らを「規律ある組織」として位置づけようとする狙いが明確に読み取れました。
しかし、警察当局側はこれを「組織防衛のための巧妙なプロパガンダ」と断定しました。どれほど秩序を標榜しようとも、暴力団の資金源が違法行為や脅迫・利権介入に基づいている事実に変わりはなく、社会的な容認は不可能であるという姿勢を崩しませんでした。このインタビューは、国家と裏社会の論理が決定的に決裂した瞬間を浮き彫りにした歴史的記録と言えます。