おひつ料理の土台を支えるのは、何と言っても米の質だ。同店で使用されているのは、豊かな水源と昼夜の寒暖差に育まれた「会津産コシヒカリ」。炊き上がりのツヤ、もっちりとした粘り、そして噛むほどに広がる強い甘みが特徴である。
おひつという伝統的な器に盛ることで、余分な水分が適度に抜け、一粒一粒の輪郭が際立つ。そのまま食べても際立つ米の存在感があるからこそ、濃厚な具材を受け止め、さらには白だしを注いでもふやけずに豊かな食感を保ち続けることができる。
ポットで提供される特製白だしは、おかわり自由という贅沢さ。食事の合間にそのままお吸い物代わりにすする常連客も多い。米と出汁という和食の基本を極限まで磨き上げたからこそ生まれる、揺るぎない満足感がある。