物価高の波が直撃する中、消費者の財布の紐はかつてなく引き締まっている。しかし、単に出費を抑えることだけが目的なのではない。外食、コンビニ、宅配という各カテゴリにおいて、選ばれるサービスの条件がより明快になったのだ。
外食業界では、安易な値下げではなく、素材へのこだわりや調理演出による「高付加価値化」が成功を収めている。目の前で仕立てられるライブ感や店内空間の心地よさといった体験価値を提供する店舗は、一食1500円を超えても高い集客力を誇る。コンビニ業界は、プライベートブランドの質の向上や店内調理おにぎりなどで「身近なプチ贅沢」の需要を確実に取り込む。一方の宅配業界は、配送料を含めた総額が高価であっても「移動や行列の手間を省き、自分の時間を確保できる」というタイムパフォーマンス(タイパ)の観点から力強い支持を得ている。消費者は状況と目的に応じて、これら3つのチャネルを賢く使い分けているのだ。