瞬きが多い現象をすべて「深層心理」や「性格」のせいにしてしまうのは早計です。眼科医や神経内科医が指摘するように、器質的な疾患や生活環境が引き金となっているケースも珍しくありません。
オフィスワークやスマートフォン操作が日常化した現代環境では、眼精疲労とドライアイが頻回瞬目の最大の身体的要因です。ディスプレイを凝視している間、人間の瞬き回数は通常の3分の1以下(1分間に5〜6回程度)に激減します。その結果、角膜の表面を覆う涙液層が破壊され、画面から目を離した途端に乾燥と痛みを補おうとしてパチパチと連続して瞬きを繰り返すことになります。
また、大人になってからも見られる運動性チック症や眼瞼痙攣(がんけんけいれん)にも留意が必要です。チック症は小児期に好発しますが、ストレスや過労を契機に成人期に再燃・発症することがあります。本人の意思とは無関係に目の周囲の筋肉(眼輪筋)がピクピクと収縮し、強く目を閉じたり速い瞬きを繰り返したりします。これを「落ち着きがない」「嘘をついている」と誤解されることは、当事者にとって深刻な二次的ストレスとなります。