任天堂株式会社が生み出したMiiの歴史は、2006年のWii発売時にまで遡る。生みの親である宮本茂氏が構想した「誰もが手軽に似顔絵を作れるシステム」は、直感的なUIと親しみやすい記号性で一世を風靡した。
当時のMiiは、プレイヤー本人の特徴をコミカルに誇張する「似顔絵ツール」としての側面が強かった。しかし、Nintendo Switchの普及とオンラインマルチプレイの日常化に伴い、アバターの役割は大きく変容した。現実の自分を再現する場から、理想のビジュアルを投影するキャラクターメイキングの場へとシフトしたのだ。
世界のコンピュータゲーム産業においてフォトリアルな3Dアバターが主流となる中、Miiの持つミニマルな造形美は、逆にタイムレスなアイコンとしての魅力を放ち続けている。