従来のバラエティ番組におけるドッキリは、ターゲットとされるタレントの反応を楽しむのが定石だ。だが、今回の『水ダウ』が狙いを定めたのは、画面の前に座る何百万もの視聴者自身だった。
番組中盤、スタジオのパネラー陣が何事もなかったかのように進行を続ける中、VTR内の登場人物がふとカメラ目線になり、テレビの向こう側に向かって意味深な問いかけを投げかけるシーンが差し込まれた。スタジオの爆笑声と、居間の静寂。その強烈なコントラストが、視聴者に「自分たちも仕掛けの渦中にいるのではないか」という錯覚を抱かせたのだ。巧妙に作られたメタ構造の罠に、SNSは完全に踊らされた。