産業界が最も注視している液化水素運搬船の実用化時期は、日本政府が策定した「水素基本戦略」の改定スケジュールと完全に同期しています。官民ロードマップでは、2026年代後半(2027〜2028年頃)に大型実証船による実海域実証を実施し、2030年までに本格的な商用運航を開始する計画が明示されています。
大型船の投入によるスケールメリットは絶大です。船体を16万立方メートル級まで大型化することで、1立方メートルあたりの輸送コストを実証段階から劇的に削減可能となります。政府が掲げる「2030年に水素供給コストを30円/Nm³(ノルマル立方メートル)、2050年に20円/Nm³以下」という目標達成には、この大型運搬船の定時・大量ピストン輸送が不可欠なピースです。
2030年に向けて商用第1号船の建造発注や長期用船契約が具体化しつつあり、海運市場における水素輸送フリートのプレゼンスは今後加速度的に高まる見通しです。