もう少し具体的に見ていこう。クリーンエネルギーとして主役に躍り出た「水素」だ。化学式では「H」と表記されるが、自然界で私たちが目にする水素ガスは、2つの水素原子が結びついた「H2(水素分子)」の形で存在している。
ここで「水素」という言葉を使うとき、それは元素としての水素(種類)を指していることが多い。一方で、「水素分子の中には、2個の水素原子が含まれている」と言うときは、具体的な粒の数を数えている。このように、同じ「水素」という言葉でも、文脈によって元素を指しているのか、原子を指しているのかが瞬時に切り替わっている。日本語の日常会話におけるこの曖昧さが、初心者を混乱させる最大の罠なのだ。