劇中で剣の達人として暴れ回る「助さん」こと佐々木助三郎と、「格さん」こと渥美格之進。彼らには確かな歴史的モデルが存在する。助さんのモデルは佐々宗淳(さっさ むねあつ)、格さんのモデルは安積澹泊(あさか たんぱく)という実在の水戸藩士だ。
しかし、史実の彼らは刀を振り回す剣客ではなく、極めて優秀な「学者」であった。佐々宗淳は元京都の僧侶で、類稀なる知識と行動力を買われて水戸藩に仕えた人物。一方の安積澹泊は、儒学に秀でた固い意志を持つ文人だった。性格も対照的で、豪放磊落な佐々宗淳と、几帳面で実直な安積澹泊。この二人の強烈な個性のコントラストこそが、後の時代劇における最高の名コンビ「助さん格さん」の骨格となったのである。