初代の東野英治郎が築き上げた「正義の御老公」という絶対的基盤、そして2代目の西村晃がもたらした「洗練された知性」。佐野浅夫は、偉大な先代ふたりが作り上げた強固な世界観に「圧倒的な情愛」を加えることで、見事にバトンを受け継ぎました。
この変化は、当時のテレビドラマ業界にとっても大きな転換点となりました。勧善懲悪の痛快さだけでなく、登場人物の葛藤や人情味を丁寧に描く手法が他の番組にも波及し、時代劇というジャンルの持つ可能性をさらに押し広げる結果となったのです。国民的キャラクターのバトンタッチが見事な成功を収めた稀有な例として、今なおメディア史の中で高く評価されています。