SNSやネットニュースのコメント欄で最も激しい議論が交わされるのが「中国産食品」の安全性です。2000年代初頭の残留農薬問題や毒物混入事件の強いインパクトから、今なお「中国産=無条件で危険」と捉える声は根強く存在します。
しかし、厚生労働省が公表している食品衛生法違反事例の統計データを冷静に分析すると、意外な現実が浮き彫りになります。輸入届出件数に対する違反率を見ると、中国産食品の違反率は約0.1%〜0.2%台で推移しており、アメリカ、フランス、イタリアといった欧米諸国からの輸入品と同等、あるいはそれ以上に低い数値を記録しています。
過去の事件を契機に、大手食品メーカーや外食チェーンは中国現地の契約農場や加工工場に日本の品質管理基準(HACCPなど)を徹底導入しました。現在、日本向けに輸出されている中国産冷凍野菜や加工食品の多くは、現地での事前残留農薬検査と日本の検疫による二重のスクリーニングをクリアした施設で製造されています。感情的な拒絶反応と、厳格に管理された現在のサプライチェーンの間には、大きな認識の隔たりが生じています。