女性皇族が着用する正装のルーツは明治期まで遡る。西洋の宮廷衣装の様式を取り入れつつも、日本人の体型や奥ゆかしい美的感覚に寄せて改良が重ねられてきた。肌の露出度合いや胸元のラインは極めて繊細に設計されており、清楚さと気品を両立させる絶妙な匙加減が求められる。
一着のドレスが仕上がるまでには、途方もない時間と労力が費やされる。立ち姿の美しさだけでなく、歩いた際のドレープのゆらめきや座ったときのシワの入り方に至るまで、ミリ単位の計算が施される。熟練の職人たちが手作業で立体裁断を行い、仕立て上げていく緻密な手仕事こそが、世界に誇る美の基盤となっているのだ。