手足口病の感染経路は、水疱の破れや唾液に触れる「接触感染」、咳やくしゃみによる「飛沫感染」、そして排泄物に含まれるウイルスが手指を介して口に入る「糞口(ふんこう)感染」の3つです。
典型的な潜伏期間は3〜5日程度。発熱(37〜38度台が中心で高熱にならないケースも多い)とともに、口の粘膜、手のひら、足の甲や裏、臀部に米粒大の水疱性発疹が現れます。警戒すべきは「うつる期間」の長さです。発症から最初の1週間が飛沫や唾液による感染力が最も強い時期ですが、解熱して発疹のかさぶたが消えた後も、便からは2〜4週間、長ければ1ヶ月以上にわたって感染力を持ったウイルスが排出され続けます。
「治ったからもう安心」と油断し、おむつ替え後の手洗いを怠った結果、回復後2週間が経ってから親が倒れるという事態が頻発するのはこのためです。
「歩けない、眠れない」大人の手足口病の過酷な実態
「子どもの病気」と高をくくっていると、大人が感染した際には小児とは比較にならない劇症化に見舞われます。SNSや闘病ブログでも「インフルエンザより辛い」「足裏の発疹を踏むたびに剣山の上を歩いているような激痛」といった生々しい悲鳴が多数記録されています。
- 39度を超える急激な高熱と悪寒:子どもは微熱で済むことが多い一方、大人は40度近い高熱から始まるケースが目立ちます。
- 口腔内の多発性口内炎による摂食障害:喉の奥から舌、歯茎にまで激痛を伴うアフタ性潰瘍が広がり、水や唾液を飲み込むことすら耐え難い苦痛となります。
- 手足の重篤な末梢神経痛:手のひらや足裏にびっしりと深い紅斑が出現し、キーボードのタイピングや歩行、靴を履く動作が不可能になります。
- 数週間〜数ヶ月後の爪甲脱落症:発症から1〜2ヶ月後、ウイルスの影響によって手足の爪が根元から浮き上がり、次々と剥がれ落ちる後遺症状に悩まされる事例が報告されています。