首都・東京での戦況は、国政全体のパワーバランスを如実に映し出す鏡だ。とりわけ党内基盤の維持と政権浮揚を至上命題とする石破茂首相にとって、東京の議席をどれだけ死守できるかは政権の生命線そのものを意味する。しかし、都市部特有の厳しい民意は容赦なく政権与党へ突きつけられている。
自由民主党は長年築いてきた業界団体主導の集票システムが目減りし、防戦一方の様相を呈する選挙区が目立つ。これに対し、立憲民主党を中心とする野党勢力は政権批判票の受け皿になろうと攻勢を強めるが、一枚岩とは言い難い。野党候補の乱立が与党を利する構図も依然として残り、双方の計算違いが激戦に拍車をかけている。
この間隙で不気味な存在感を放ち続けるのが東京都知事の小池百合子だ。地域政党の動向や独自の支持基盤をどう動かすのか。彼女の一挙手一投足が数千票単位で浮動票の行方を左右し、各陣営の選挙参謀は舞台裏での情報戦に神経をすり減らしている。