かつて下着は見えない脇役に過ぎなかった。その潮流を根本から変えたのが、1990年代初頭のカルバン・クラインによる鮮烈な広告キャンペーンだ。俳優マーク・ウォールバーグが引き締まった肉体とともにウエストバンドを大胆に露出させたビジュアルは、世界中のストリートに衝撃を与えた。
その後、デビッド・ベッカムがアイコンとして君臨したことで、ボクサーブリーフは男性のステータスシンボルとしての地位を確立する。見せるアンダーウェアという概念が浸透した一方で、ビジュアル偏重のあまり「どう穿くか」という身体機能への適合性が置き去りにされてきた歴史も見逃せない。