歴史上の天才たちもまた、独自の短時間睡眠でひらめきを得ていた。シュルレアリスムを代表する巨匠サルバドール・ダリは、手に重い金属の鍵を持ち、その下に金属製のお盆を置いて椅子に腰掛けるという独特な仮眠法を好んだ。睡魔に襲われて手が緩むと鍵が落下し、甲高い音で即座に目が覚める。浅い睡眠状態(睡眠開始時)に現れる潜在意識のイメージを作品に捉えるための知恵だった。
ダリのアイデアを現代のテクノロジーで刷新しているのが、急成長を遂げるヘルスケア・ウェルネス産業だ。最新の睡眠計測アルゴリズムを搭載したスマートポッドや、脳波に合わせて光とサウンドを調整するアイマスク、休息状態を可視化するウェアラブルデバイスが市場を賑わせている。単なるリラクゼーションの枠を超え、ビジネスパーソンの脳機能を最適化するコンディショニングツールとして進化を続けている。