シーチキンとは何の魚?ツナとの違いや「鶏」と呼ばれる衝撃の真相

シーチキンとは何の魚?ツナとの違いや「鶏」と呼ばれる衝撃の真相

シーチキンとは何の魚?ツナとの違いや「鶏」と呼ばれる衝撃の真相とはどんな影響があるのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

「シーチキンという名前の魚が海を泳いでいる」と勘違いしているケースは決して珍しくありません。しかし実態を紐解くと、シーチキンとは単一の魚を指す名称ではなく、はごろもフーズ株式会社が製造・販売するマグロやカツオの缶詰に冠された登録商標です。

英語圏で「Tuna(ツナ)」といえば、スズキ目サバ科マグロ属に属する魚類の総称であり、缶詰業界においてはカツオを含む場合もあります。つまり、包摂関係としては「ツナ缶」という巨大なカテゴリーの中に、はごろもフーズの「シーチキン」、いなば食品の「ライトツナ」、極洋やマルハニチロのツナ缶などが存在しています。セロハンテープを「セロテープ」、ステープラーを「ホッチキス」と呼ぶのと同様に、圧倒的な市場シェアによって商品名が一般名詞のように認知された典型例といえます。

では、なぜ魚の缶詰に「チキン(鶏)」という言葉が使われたのでしょうか。その背景には、昭和30年代(1958年)における誕生の経緯と海外輸出の歴史が色濃く反映されています。

当時、静岡県清水市(現・静岡市清水区)に拠点を置いていた後藤罐詰所(現・はごろもフーズ)は、アメリカ向けに「ホワイトミート」と呼ばれるビンナガマグロの缶詰を輸出していました。アメリカ市場では、その白く柔らかな肉質と淡白で上品な風味が鶏の胸肉やササミに似ていることから、「Chicken of the Sea(海の鶏肉)」と称されて高い人気を博していたのです。

国内市場へ本格展開するにあたり、「海の鶏肉のように美味しく、高タンパクでヘルシーな食材」という魅力をストレートに伝えるべく名付けられたのが「シーチキン」でした。実際に当時の手記や業界記録を検証すると、戦後日本の食卓に洋風の食習慣を定着させる起爆剤として、このキャッチーなネーミングが極めて大きな役割を果たしたことが記録されています。

山田 真由
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山田 真由

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