つわりは妊娠特有の生理現象とはいえ、我慢し続けることが母子の健康を脅かす場合もあります。特に「食べても戻してしまう」「水すら飲めない」といった状態が続く場合、単なるつわりを超えて「妊娠悪阻」と呼ばれる病的な状態に移行している可能性があります。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊娠前と比較して体重が5%以上減少した場合や、尿中にケトン体(脂肪が分解される際に発生する物質)が強く検出される場合は、入院点滴治療や医療的介入が必要であると示されています。脱水症状や脱栄養状態が放置されると、肝機能障害やウェルニッケ脳症などの重篤な合併症を引き起こす危険性もあります。
厚生労働省が推進する母子保健の観点からも、辛さを我慢することは推奨されていません。体重の急速な減少や立ちくらみ、尿量の減少が見られたら、遠慮せずに速やかに主治医や医療機関を受診しましょう。