東京・高田馬場。ラーメン激戦区の片隅で暖簾を掲げる店主の表情は暗い。「アブラ多め、無料」という長年のルールを撤廃し、今年から「背脂トッピング 150円」の有料化に踏み切ったからだ。常連客の足が遠のくリスクは百も承知だった。しかし、そうせざるを得ないほどに仕入れ値が圧迫していた。
「うちのような個人店にとって、背脂はスープのコクを出す命綱。でも、タダで配り続ければ店が潰れる。お客様には申し訳ないが、これが2026年の現実です」。そう語る店主の言葉は、全国の個人経営店が直面する共通の苦悩を代弁している。大手チェーン店が資本力に物を言わせて囲い込みを進める中、街の小さな名店が次々と暖簾を下ろす引き金にもなりかねない。