矢沢永吉の紅白出演を語る上で欠かせないのが、徹底した情報統制のもとで敢行された「電撃サプライズ」の手法です。事前の出場歌手リストには一切名前がなく、リハーサルすら極秘裏に進められた舞台裏は、まさに前代未聞のプロジェクトでした。
2009年(第60回):還暦を迎えたロックキングの歴史的初降臨
2009年12月31日、第60回という記念大会の後半、突如としてNHKホールのスクリーンにシルエットが浮かび上がりました。事前告知なしの完全シークレットゲストとして登場した矢沢永吉は、当時60歳の還暦。白のスーツに身を包み、『コバルトの空』そして代表曲『止まらないHa〜Ha』の2曲を披露しました。
マイクスタンドを蹴り上げ、ステージ狭しと疾走する姿に、審査員席や客席は騒然。NHKホールが一瞬にして日本武道館のライブ会場へと変貌を遂げた瞬間でした。
2012年(第63回):デビュー40周年に見せた円熟のパフォーマンス
初出場から3年後の2012年、デビュー40周年のアニバーサリーイヤーに2度目の出演を果たします。この時も事前のタイムテーブルには詳細が明かされず、特別企画枠での登場となりました。
披露されたのは、円熟味を増したダイナミックなナンバー『IT'S UP TO YOU!』。圧倒的な声量とグルーヴ感でホール全体を掌握し、紅白という国民的フォーマットの中で「一切妥協しないYAZAWAのライブ」を完遂させました。